成年後見

 「NPO法人 福島成年後見サポートセンター」を仲間達と設立してからまもなく3年になります。これまで、会員の知識や資質の向上の為ほぼ毎月定期的に研修会を実施、小規模の無料相談会や講習会の開催、成年後見制度利用希望者の相談・支援等の活動をして参りました。私自身が後見人になったことはまだ有りません。
 さて、ご存知の方も多いとは思いますが「成年後見制度」とは認知症や知的障害などで判断能力が衰えてしまった方々の生活を支援するため、後見人等が本人に代わって預貯金や年金の出し入れ、介護施設への入所契約など必要な手続きをできるようにする制度です。
 本人の判断能力の程度により「後見」「保佐」「補助」という種類があり本人を代理できる範囲が異なります。また、判断能力が不十分になってから家庭裁判所に申し立てる「法定後見」と、後見人を前もって自分で選んでおく「任意後見」があります。例えば「認知症の父の定期預金を解約して、父の介護施設への入所費用にあてたい」といった場合は法定後見。法律で決められた範囲の親族等が申し立てます。
 一方「自分が将来認知症になったら○○さんにお世話してもらいたい」といった場合は任意後見。後見してくれる人と、後見内容や報酬などを話し合い、公正証書で契約し、将来判断能力が不十分になったら、自分か受任者が申し立てます。制度利用を考えた時の判断能力の有無がポイントと言う事になります。実は私たちが、ご相談をお受けした場合、この「判断能力」の有無を確認するのに苦労することも多いです。
 今のところ、相談者はご本人以外の親族の場合が多く、最初の相談時に「まだまだはっきりしていて判断能力もある」と聞いていても実際ご本人にあって話をしてみるとつじつまが合わない部分が多かったり、逆に認知症が進んでいると聞いていても、まだまだ判断能力充分では?と思うこともあります。
 長年一緒に暮らしているご家族には、以心伝心でわかる事があったり、ご本人に対する思い込みがあったりするせいだと思います。
 また、制度の利用者となるご本人は、私など問題にならない多くの人生経験を積んだ方々がほとんど。面談でのやり取りでも何枚も上手です。必要上、親族関係や財産などのかなり立ち入ったことまでお伺いすることがありますが、重要な部分は煙にまかれることもしばしばです。ご本人からすれば初対面の若造に個人的なことをベラベラ話せるはず無いのは当たり前だと思います。
 制度の性質上、相談者の親族の方とご本人の利益が反している場合もあります。このような時はご本人の意向を確認するのに神経を使います。
 そんなこんなで、方針を決定するまでだけでも最低3回以上はご本人に会います。成年後見制度の利用はご本人の権利に大きな影響を与えます。正直、一人では決断できないことも多々あります。私個人では社会貢献などと大きなことも言えませんが、NPOの仲間と一緒に「ご本人の為に一番利益になる方法は?」を考え高齢者・障害者の方々が安心して暮らせるよう少しでも力になれればと思い活動しています。

健康づくりのために

 愕然とした。何に愕然としたかというと自分の「運動不足」にだ。
きっかけは『歩数計』。今年の初めに、あるところで頂いたそれはなかなかの優れものだ。説明書には、歩数やカロリー測定のほか「運動の強さや量」などいくつかの運動指標が測定できるとある。頂いてから大分経ってしまったが、新年度にもなったことだしと、試しにちょっと使ってみたのだ。
運動指標のなかで私が気になったのは、「身体活動の量」。単位はEX(エクササイズ)。『歩数計』は健康づくりに効果的な強さの歩行でなければ身体活動量(EX)としてカウントしない。
「健康づくりのための運動指針2006<エクササイズガイド2006>」(厚生労働省)では1週間に23EXの身体活動をおこなうことが健康づくりに適しているとされているそうだ。ところが私の場合、机に座っている時間が多く、移動はもっぱら自動車という運動とはまったく無縁の日常生活なので1日0.3〜0.5EXにしかならず、多く見積もっても1週間で3.5EXにしかならない。健康に必要な運動量の6分の1にも達していないことになる。まさかここまで運動不足だとは・・・。「健全なる精神は健全なる肉体に宿る」ならば私の精神は・・・?と考えてしまう。(もっともこの格言の本当の意味は、諸説あるようなのですが・・・。)
これまでも、運動不足だという自覚はあった。高校時代までは体育会系で、運動神経もまあまあ悪くなかったと言っても妻にはまったく信じてもらえない。最近では、初心者向けの山登りをした次の日に、筋肉痛からか発熱してみたり、急な階段を上った翌日にこれまた熱がでたりする始末。ただ、自分でも口では運動不足のせいだろうと言いながら、心の中では、「まさか運動不足で熱なんて・・・。」とも思っていた。しかし、こうして数値で示されてしまうと(発熱の原因は別として)やはり極度の運動不足だと認めざるを得ない。雨の日を除く毎日、4EX歩くと決めた。時間にして30分から40分だ。
もともと、あまり意思が強くない私は「やる」と決めても、「まあいいか」と途中でやめてしまうこともしばしばだ。始めてまだ一ヶ月あまりにしかならないが、続けられているのは、今までの運動不足があまりにもひどかったことに「愕然とした」のと運動が他でもない「健康」と密接な関係にあるためだ。
できるだけ長生きして未来がどうなるのか見てみたいと日頃から思っている私にとって(20年前には携帯電話がこんなに普及するとは思ってなかったでしょ。未来がどうなるのか考えるとワクワクします。)「健康」は何より大事。運動不足だと不健康だし病気になる可能性も高くなるのは今更言われなくても解っている。それでも運動しないでいたのは私がもともと怠け者だからか。
そんなこんなで、不健康で少し体を動かしただけで熱を出すような極度の運動不足でも生きていけるような今の世の中は「幸だなあ」など考えたりしながらてくてく歩いている。